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モバイルファースト時代のマルチデバイス対応を確実・簡単に

東武鉄道株式会社

東武鉄道 システム開発部 ご担当者様
東武鉄道 システム開発部 ご担当者の皆様
東武鉄道株式会社

東武鉄道では、東武鉄道モバイルサイト内にある「東武携帯ネット会員サービス」において、KSKの『x-Servlet』と『実機検証サービス』を利用しています。 モバイルサイトにおける、お客様が利用する機種の機能やキャリアの違いを越えた機種対応の必要性と実機検証の重要性について、システム開発部のご担当者様に詳しく話を伺いました。

東武鉄道の携帯電話・スマートフォン向けサービスについて

── 東武鉄道の「東武携帯ネット会員サービス」について教えてください。

東武鉄道「チケットレスサービス」画面
「チケットレスサービス」画面
東武鉄道ネット着席整理券」読取機
「ネット着席整理券」読取機

「東武携帯ネット会員サービス(※)」は入会金・年会費ともに無料の会員サービスで、会員登録いただくことで、パソコンや携帯電話・スマートフォンから特急券を購入できる「特急券チケットレスサービス」やTJライナーの着席整理券が購入できる「TJライナーチケットレスサービス」と、東武線内の運行情報をメールでお知らせする「運行情報メールサービス」などをご利用いただけます。

チケットレスサービスでは、携帯電話・スマートフォンで表示する「QRコード」を改札口の読取機にタッチして利用します。こういったチケットレスのサービスで「QRコード」を利用するのは前例の無い業界初の試みでした。

KSKの『x-Servlet』と『実機検証サービス』は、これら携帯電話・スマートフォン向けサービスでの画面の正常表示を確保するために活用しています。

※「東武携帯ネット会員サービス」は、「東武鉄道モバイルサイト」の一部分です。

内部システムを『x-Servlet』で、外部チェックを『実機検証サービス』で

── KSKの製品・サービスの活用状況をさらに具体的に教えてください。

鉄道のような多くの方々の利用が想定される公共サービスでは、利用者の保有する携帯電話・スマートフォンのキャリアや機種の違いに関係なく同じ品質のサービスを提供することが重要です。

東武鉄道では、それら多くの機種への対応策としてKSKの製品・サービスを利用し、内部・外部の両面から対策を行っています。

まず内部面での対策として、KSKの携帯・スマートフォン向けサイト変換ソフトウェア『x-Servlet』を導入し、どこのキャリアの携帯電話・スマートフォンからでも「東武携帯ネット会員サービス」が正常に表示されるよう対策しました。

また外部面での対策としては『実機検証サービス』を利用し、これまでに発売された携帯電話およびスマートフォン全機種での目視検査に加え、日々発売される携帯電話・スマートフォンの新機種に対する目視検査を行っています。

東武鉄道モバイルサイトチャート図

『x-Servlet』を利用したスマートフォン対応

── 携帯電話への対応としてこれまでも『x-Servlet』をご利用いただいておりましたが、スマートフォンの対応においても『x-Servlet』を採用した理由は何でしょうか?

「東武携帯ネット会員サービス」を利用いただいているお客様にスマートフォンを利用するお客様が増えてきていることは実感として高く認識しておりました。そういった中でスマートフォンへの対応方法として、現在の携帯電話対応のサイトをスマートフォン対応として利用していくか、もしくはまったく新しくスマートフォン向けのサイトを開発して対応するか、といった2つの対応方法について検討していました。

特に後者については、これまで携帯電話向けのサイトの多くで利用されていたモバイル向けのHTMLではなく「HTML5」といった最新の言語ソースでサイトを開発すれば、より表現力の高いサイトができることにも魅力を感じていました。しかし検討を重ねる中で、表現力の向上は必ずしもお客様の利用のしやすさに繋がるものではないといった結論に達しました。

「東武携帯ネット会員サービス」には「キャリアや機種の違いに関係なく同じ品質のサービスを提供する」という命題があります。利用されるお客様も確実なサービス提供を求めており、表現力の向上はお客様が私たちのサービスに求める本質ではないと考えました。

携帯電話対応サイトをスマートフォンに対応させるといった方向性が決まると、これまで『x-Servlet』を利用して携帯電話へ対応してきた実績から、まずKSKに相談させていただきました。そしてその回答として『x-Servlet』でスマートフォンへ対応できることを伺いました。

結果的に『x-Servlet』をスマートフォン対応として採用することで、スマートフォン向けの新たなサイトを開発することなく携帯電話対応サイトをそのまま利用できることで、既存サービスを活かしたワンソース管理が可能となり、新規の開発コストと管理運用のコストを抑えられることにもなりました。

『x-Servlet』への評価

── 『x-Servlet』への評価をお聞かせください。

『x-Servlet』について評価しているのは、なによりも「安定稼働」についてです。
鉄道という公共性の高い事業において安定したサービスを提供することは非常に重要です。これは鉄道事業だけではなく「東武鉄道」として提供するサービスすべてに求められる必須条件です。

『x-Servlet』は「東武携帯ネット会員サービス」を携帯電話に対応させるにあたり導入してから、これまで大きな問題もなく安定稼働を続けています。これは運用側としては非常に大きな安心であり、お客様においては信頼をいただけるものです。
また安定稼働と合わせて評価できる点として、『x-Servlet』がKSKの保有するすべての携帯電話・スマートフォンで稼働検証がされていることが挙げられます。既にサービスを終了している携帯電話もあるそうですが、これまで国内キャリアから発売された携帯電話・スマートフォンは合わせて千数百台になるそうですが、そのすべてで『x-Servlet』の稼働検証がされているということです。これは製品の安定稼働を裏付けるものとして非常に大きな保障となります。

この稼働検証とこれまでの実績を私たちは高く評価しています。

東武鉄道にとっての「全機種検証」の重要性

「客様の期待を超えた完璧なサービス提供を目指しています」
「お客様の期待を超えた完璧なサービス提供を目指しています」

── 東武鉄道にとっての「全機種検証」を行う必要性、目的を、詳しく教えてください。

東武鉄道における「全機種対応」の重要性は、「1.鉄道という公共性の高い事業における、完璧なサービス提供の確保」、「2.お客様からの期待に応える(ブランド価値の保全)」、「3.お客様からの問い合わせに対し、すばやく正確に答えられる体制の確保」の3点です。

  1. 鉄道という公共性の高い事業における、完璧なサービス提供の確保前述のとおり鉄道は公共性の高い事業です。老若男女あらゆるお客様がご利用になります。お客様がお使いの携帯電話・スマートフォンも新旧、千差万別です。それら文字通りの「あらゆる携帯端末」において、東武鉄道のモバイルサイトの画面が正しく表示できる体制を確保する責任があります。
  2. お客様からの期待に応えること(ブランド価値の保全)お客様は「鉄道会社は何事も折り目正しい会社であるはずだ」と思ってくださっています。その期待を裏切ることのないよう、東武鉄道はどんな場面でも…それが「東武鉄道モバイルサイト」であっても「折り目正しく」ある必要があります。
  3. お客様からの問い合わせに対し、すばやく正確に答えられる体制の確保お客様から「東武鉄道のチケットレスサービスは、私の携帯電話でも使えますか?」とお問い合わせをいただくことがあります。
    鉄道会社として、このお問い合わせに正確かつ素早く回答する必要があります。仮に、なんらかの旧機種で表示が乱れる場合であっても、「どんな機種で」、「どの程度」、乱れが生じるのかを事前に認識し、確実に説明できることがお客様からの信頼感を高めることにつながると考えています。
    その為、すべての機種に対する目視検査が必須であると考えます。

『実機検証サービス』への評価

「検証インフラや、レポートの判り易さは高く評価できます」
「検証インフラや、レポートの判り易さは高く評価できます」

── KSKの『実機検証サービス』への評価をお聞かせください。

KSKの『実機検証サービス』は、「KSKが携帯電話・スマートフォンの実機を網羅的に保有していること」、「こちらのニーズを先読みして検証してくれること、また検証スケジュールにおいて柔軟な対応があること」、「レポートが分かりやすいこと」の3点を高く評価しています。

評価1.KSKが携帯電話・スマートフォンの実機を網羅的に保有していること

一度、KSKの検証現場を訪問したことがありますが、昔の機種から最新のスマートフォンまで、あらゆるモバイル端末を網羅的に保管されているのを目の当たりにし、あらためて感心しました。

KSKによれば、「今では入手不可能な機種も網羅的に保管している」「実機検証の事業は、モバイル端末の実機を『物理的に保有』していることが必須となる」「これからこれだけの端末を揃えての新規参入はおそらく不可能でしょう」とのことでした。
この網羅的な実機保有がKSKの検証品質を下支えしているのだなと、あらためて納得しました。

評価2.こちらのニーズを先読みして検証してくれること、また検証スケジュールにおいて柔軟な対応があること

実はチケットレスサービスで使うネット着席整理券の表示検証には、不正乗車チェックの意味合いもあります。
改札で駅係員がネット着席整理券(切符)をチェックする時に、表示の色を通じて、切符が正しいか・正しくないかの基礎情報を得ているのです。しかし携帯電話やスマートフォンによっては、たとえば赤く表示されるべき画面が、紫っぽく表示されることもあります。ネット着席整理券の表示確認においては、表示の「色」がどう表示されるかが重要です。

KSKは事前の打ち合わせを通じて、色の重要性を先読みし、理解して、その部分を特に重点を入れてチェックするなど積極的な提案がありました。

この他、KSKからはさまざまな場面で、東武鉄道のニーズを理解した上での「先読み提案」をいただいています。これは検証を任せる側として非常に心強いことです。またこちら側のサービスリリースに合わせて、無理なスケジュールに対しても柔軟に対応していただけたのは有り難い点でした。

評価3.レポートが分かりやすいこと

KSKのレポートには必ず画面キャプチャが添えられており、検証結果が「見える化」されています。これは「現場での活用しやすさ」という観点から見てとてもありがたい仕様です。
先ほど「現場の駅係員は、不正乗車チェックの際に、携帯での表示色を判断材料にしている」と述べましたが、この表示色の違いが「赤と表示されるべきところが紫っぽく表示される」と言葉だけで報告されても、感覚的に理解できません。一方、画面キャプチャが添えられていれば、色がどう違って見えるのかが一目瞭然です。
単なる「報告のための報告」ではなく「現場で使える報告」を提供するKSKの姿勢は高く評価できます。

今後への期待

── KSKへの今後への期待をお聞かせください。

東武鉄道では、鉄道という公共性の高い事業を担っているという自覚のもと、今後も、あまねくすべてのお客様に、確実に自社サービスを届けるよう尽力していく所存です。

KSKには、これからも『x-Servlet』や『実機検証サービス』などの支援サービスを通じて、東武鉄道の顧客満足度向上の取り組みを支えていただけるよう期待いたします。 今後ともよろしくお願いいたします。

東武鉄道様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

  • 東武鉄道のWebサイト
  • 事例公開:2012年8月
  • 記載内容、数字はすべて取材日時の時点でのものです。
  • 取材協力:カスタマワイズ
タグ: 
x-Servlet