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モバイルファースト時代のマルチデバイス対応を確実・簡単に

富士フイルム株式会社

高速赤外線対応の判定イメージ

鮮やかな画質に定評のある富士フイルムのデジタルカメラ「FinePix(ファインピックス)」シリーズ。

その販促を支援する裏側で、携帯機種情報配信サービス『デバイス・プロファイルサービス』(DPS)が活用されています。

今回は『デバイス・プロファイルサービス』(DPS)の導入までの経緯と活用方法について、「FinePix」シリーズ販促支援チームの岡田昌幸マネージャーに話を聞きました。

FinePixシリーズ:高速赤外線対応 「携帯電話赤外線通信方式一覧表」

活用されていなかった高速赤外線通信機能

富士フイルムは、レンズ、イメージセンサー、画像処理エンジンというデジタルカメラの3大要素を、自社開発できる数少ないメーカー。
その品質は長年培ってきた写真プリント技術からも窺えるように非常に高精度であり、同社のデジタルカメラ「FinePix」シリーズはその画像の美しさにおいて高い支持を得ている。

そんな富士フイルムの「FinePix」シリーズに早くから搭載されている機能のひとつとして「高速赤外線通信機能」がある。
高速赤外線通信機能(IrSimple/IrSS)は、ケーブル不要でデジタルカメラの撮影画像を他の赤外線対応機器に高速転送できる機能だ。FinePix同士や、自社で製造・販売しているモバイルプリンターとの連携を視野に入れて搭載された機能で、搭載当初は対応している機器も少なく、あまり活用されることのない機能だった。

友達とすぐに画像交換

転機が訪れたのは5年ほど前、携帯電話に高速赤外線通信機能が採用されるようになり、携帯電話に撮影画像を転送できるようになったころだ。
「FinePix」の赤外線機能を利用して携帯電話へ画像を転送するといった利用方法は、若い女性たちを中心に口コミで徐々に拡がり、昨年頃からは販売窓口で「赤外線通信のついたデジカメはどれですか?」とお客様から声をかけられるようになった。旅行やイベントで写真を撮り、みんなで集まった際にその画像を友人の携帯電話に転送してまわる。そんな利用方法が拡がり、また、その光景を目にした人が販売窓口に問い合わせているのだ。

ただ、同様の利用方法ならば携帯電話のカメラでもできるのに、なぜデジカメの赤外線機能を利用するか?といった用途について更に掘り下げてみたところ、どうやらブログやSNSの存在があることが判った。

ニーズにマッチした「画質」と「利便性」

ブログやSNSの利用は若い女性たちの間でも伸びており、またその多くが文章と共に写真を投稿している。そして自分のブログやSNSにはできれば綺麗な画像を使いたい。携帯電話のカメラは高性能になってはいるが、それでもまだデジタルカメラの画質には及ばない。しかし、わざわざデジカメの画像をパソコンに取り込むのは面倒なため、投稿には携帯電話を利用したい…。

つまり、「利便性」と「画質」といった両方のニーズを満たすには、「デジカメ+パソコン」ではなく「デジカメ+携帯電話」がもっともニーズに合った組み合わせであり、撮った画像を赤外線を通じて簡単に携帯電話に転送できる「FinePix」はまさに彼女たちのニーズにマッチした製品だったのである。

ケータイにも送れる! ブログやSNSへのアップもカンタン!

アピールへの大きな課題

この発見は「FinePix」シリーズに搭載された高速赤外線通信機能を積極的にアピールする絶好の材料だったのだが、そこには大きな課題があった。

実はこのとき富士フイルムでは、「FinePix」シリーズを検討中のお客様から、自分の携帯電話は「FinePix」の赤外線機能に対応しているのか?対応していないか?という質問に答えられなかったのだ。

赤外線通信仕様について携帯電話のメーカーやキャリアが公表している資料は一覧になっていないため、情報を収集するのに非常に手間がかかる。そのうえ赤外線対応となっていても、高速赤外線通信であるか、対応規格であるか、といった記載がなかったり、そもそも公表資料に赤外線項目がなかったりすることもあった。それでも過去に手作業で調査して一覧表を作成したこともあったが、次々に発売される新しい携帯電話の情報を調べ続けることを断念してしまっていたのだ。そういったことから、高速赤外線通信機能について積極的にアピールできないでいた。

赤外線仕様を網羅した『デバイス・プロファイルサービス』

赤外線機能がお客様の携帯電話で利用可能かどうか、明確に回答できる体制づくりが急務となっていたころ、携帯電話向けの画像変換ソリューション「KeitaiPicture」を取り扱う部門より、KSKという会社のフレックスファームという部門で、開発者向けに携帯電話全機種の調査データを収録した『デバイス・プロファイルサービス』といったものを販売していると教えられた。

もともとKSKは、富士フイルムのグループ会社とも付き合いがあり、他ソリューションの実機検証を長年依頼しているため、会社やサービスについては十分に信頼できる。早速その『デバイス・プロファイルサービス』に「高速赤外線通信機能の情報は入っているのか?」と問い合わせたところ、IrSimple/IrSSといった規格を含めた赤外線仕様が網羅されているとの返事をもらい、即採用することを決めた。

課題を克服し更なる活用へ

『デバイス・プロファイルサービス』はExcel形式で提供されるため、一覧表はあっという間に作成することができた。これにより一番の課題であったお客様の問い合わせに即答する体制はできた。

しかし「FinePix」の赤外線機能を選んでくださるお客様はこれまでのニーズによると「利便性」を大切にしており、わざわざ窓口に問い合わせをすることなく、お客様自身で簡単に対応の可否が調べられる必要がある。

そこで、手持ちの携帯電話が高速赤外線通信に対応しているかどうかがすぐに確認できる「判定サイト」を用意した。家電量販店のデジカメ売り場の販促用POPに「判定サイト」へのQRコードを貼り、お客様自身の携帯電話で「判定サイト」にアクセスしてもらえれば、対応の可否が即座に表示される仕組みを構築した。

これは『デバイス・プロファイルサービス』の機種データにある、携帯ブラウザ種別を判別する「UserAgent」と「赤外線仕様」の項目を活用して構築したものだ。お客様の携帯電話の「UserAgent」から搭載されている「赤外線仕様」を判別し、対応の可否を表示する。こういった仕組みも『デバイス・プロファイルサービス』の導入により簡単に構築することができた。

カタログや売場で「画像シェア」をアピール

このシステムが構築できたことで、判定サイトのQRコードは「FinePix」シリーズのカタログに掲載することができるようになった。今では「写真の楽しさ、どんどん広がる。FUJIFILMだけの機能。」というキャッチコピーとともに、QRコードを掲載している。

そのカタログでは、撮ったその場で赤外線を通して画像を簡単に交換できること、携帯電話からブログやSNSに投稿できること、デジタルフォトフレームに送信できること、コンビニエンスストアの店頭にあるプリント複合機に画像データを送信してプリントできること、これらがすべてワイヤレスで簡単に行えることがアピールされている。
また、販売店の売り場でもQRコードを掲出することで、お客様が自分で簡単に対応を確認できるようになった。

さらに、「FinePix」シリーズの3D撮影対応機種「FinePix REAL 3D W1/W3」では、シャープの液晶テレビ「AQUOSクアトロン3D」に3D撮影画像を転送することもできる。

これまで、デジタルカメラは単体での性能や機能を求められてきたが、高速赤外線通信機能による外部機器との連携によって、「画像をシェアする」という新しい活用が生まれて、それらを積極的にアピールすることができるようになった。

FinePixの高速赤外線通信で広がる画像シェア

今後への期待

KSKへのコメント

こんなニッチな項目を全機種分も調査し続けてくれて、本当に助かりました。
今後はスマートフォンも増えていきます。もっと便利な販促ができないか企画して、今後も活用し続けます。ぜひ、高速赤外線通信の調査は止めないように、引き続きお願いします。

KSK「デバイス・プロファイルサービス」調査担当者のコメント

高速赤外線通信の対応は、取扱説明書とWebの商品案内で記載が一致しない場合があります。我々は、複数担当者で調査結果を照合して情報の精度を高めています。キャリア資料には記載がなくても、実際には対応機種であるケースもあります。場合によっては、自社で保有している実機を操作し、対応メニューが存在するか確認しています。
容易には調査できない割には、利用頻度の低いデータだと思っていましたが、便利に活用しているとの声をいただけて光栄です。今後もご期待に添えるよう、より一層、正確なデータの提供を心がけます。

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社

〒106-8620
東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル

企業情報:
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/aboutus/outline/index.html

※ 事例掲載:2011年5月
※ 内容はすべて取材日時点のものです。
※ IrSimple™/IrSS™はInfrared Data Association®の商標です。

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DPS