実機テスト担当者から見たKCP+端末(後編)
従来端末とKCP+端末との動作差異
前回に引き続き、auのKCP+端末に関する話題をお届けします。
今回は、実機テストで遭遇した従来端末とKCP+端末の動作差異例をご紹介します。
動作差異例(1):取り消し線や下線の表示
従来端末では不可能だった取り消し線の表示が、KCP+端末では可能になっているようです。
<strike>の他、<s>や<del>にも対応しているようです。
また、従来端末では<u>だけで指定可能だった下線表示が、KCP+端末では<ins>での指定も可能になっているようです。
※取り消し線や下線の使用を推奨するわけではありません。
分類 | 従来端末 | KCP+端末 |
確認端末 | W61K | G'zOne W62CA |
画面表示 |
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※他、KCP+端末では太字(<b>,font-weight:bold,font-weight:bolder)や強調(<em>,<strong>,<th>)表示をサポートする端末が増えているようですが、依然として端末により実装が異なりますので使用には注意が必要です。
動作差異例(2):セレクトボックスや実行ボタン形状
従来端末では真四角だったセレクトボックスの形状が、KCP+端末では角が丸みを帯びた形状になりました。
ところで、この角が丸みを帯びた形状に見覚えがある方はいらっしゃいませんか。
SoftBankの初期3G端末には、Openwave製のモバイルブラウザ(Version 7)を搭載した端末があり、これらの機種ではKCP+端末とそっくりなセレクトボックスや実行ボタンが表示されます。
分類 | 従来端末 | KCP+端末 | 参考
(softbank初期3G端末) |
確認端末 | W61K | G'zOne W62CA | softbank 804SH |
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動作差異例(3):セレクトボックス内での絵文字使用…
ケータイアップデートにより解消
KCP+端末では、下記条件が重なった場合にセレクトボックス内の表示が崩れる現象が確認されておりました。
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・発生条件
- i.セレクトボックス内に絵文字を利用した項目がある。
- ii.絵文字の指定には絵文字番号を利用する。(10進数指定では発生しない)
- iii.絵文字を含む項目の横幅 < 絵文字を含まない項目の横幅
現在は、ソフトウェア更新(ケータイアップデート)により解消されている模様です。
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・解消のタイミング
- ブラウザバージョン 7.2.7.1.K.1.xxxxxx の機種は 7.2.7.1.K.1.5.1.116 以降で解消されたと思われます。
- ブラウザバージョン 7.2.7.1.K.2.xxxxxx の機種は 7.2.7.1.K.2.200 以降で解消されたと思われます。
分類 | 従来端末 | KCP+端末(解消前) | KCP+端末(解消後) |
確認端末 | W61CA | W54SA
(ブラウザバージョン 7.2.7.1.K.1.5.1.108) |
W56T
(ブラウザバージョン 7.2.7.1.K.1.5.1.116) |
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動作差異例(4):東芝端末における半角カナ入力モードの指定
従来の東芝端末では、日本語入力システムに半角カナの入力モードが存在していませんでした。
そのため、<input type="text">や<textarea>で文字入力モードの初期値を半角カナ(istyle="2" )に指定しても、全角かなの入力モードになってしまうという機種依存が存在していました。
KCP+の東芝端末では、搭載している日本語入力システムが変更され、他メーカーの端末同様に半角カナの入力モード指定が可能になっています。
分類 | 従来の東芝端末 | KCP+の東芝端末 |
確認端末 | W55T | W56T |
画面表示 | ![]() |
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おわりに
以上、従来端末とKCP+端末の動作差異を数例ご紹介いたしました。
auのKCP+端末に関する話題は、今回でいったん終了となります。
他にも興味深い動作差異が判明した場合には、本テクニカルノート内でご紹介していきたいと考えております。
前編、後編とお読みいただき、ありがとうございました。