実機テスト担当者から見たKCP+端末(前編)
KCP+端末とは?
KDDI統合プラットフォーム「KCP+」を搭載したauブランド端末のことです。
2008年2月に1号機が発売され、2008年11月末の時点で19機種が発売済みとなっています。
今回と次回の2回に渡り、携帯サイトの実機テスト担当者からの視点で、KCP+端末を捉えてみたいと思います。
携帯サイト実機テストにおけるKCP+端末の扱い
結論から述べてしまいますが、
au端末でサイトのテストを行う際には、従来端末の他に、KCP+端末を最低1機種含めることをお勧めします。
KCP+端末では、モバイルブラウザのバージョンが従来端末(非KCP+端末)の 6.2 から 7.2に上がっており、同一HTML(XHTML)に対する動作差異も確認されているからです。
KCP+端末の見分け方
auの最新端末全てが「KCP+」を搭載しているわけではありませんので注意が必要です。
従来端末とKCP+端末を見分けるには以下のような方法があります。
【カタログや一般ユーザー向けのサイトで見分ける】
auのカタログや公式サイト(一般ユーザー向け)では「KCP+」という用語は使われていません。
「KCP+」で実現された機能の一つである「マルチプレイウィンドウ」対応の機種は確実にKCP+端末と判断できます。
(注:「Xmini」は「マルチプレイウィンドウ」非対応ですが、KCP+端末となります)
【開発者向けのサイトで見分ける】
KDDIの開発者向けサイト「EZfactory」内の「EZアプリ (BREW)対応端末」一覧のデータを利用します。
BREWバージョンが「4.0」の機種は、KCP+端末となります。
【実機のブラウザバージョンで見分ける】
ブラウザのバージョン情報表示([EZ]キー押下⇒EZ設定⇒バージョン情報)から見分ける方法もあります。
KCP+端末ではバージョンが「7.2.~」になります。
・KCP+端末(例:G'zOne W62CA 2008/10/24 ケータイアップデート適用済み)
Openwave Mobile Browser, version 7.2.7.1.K.2.207 (KDDI-CA3B), (c)1995-2008 Openwave Systems, Inc. |
・従来端末(例:W61CA)
Mobile Browser, 6.2.0.13.2 (KDDI-CA3A) (c)1995-2007 Openwave Systems, Inc. |
【User Agentの値で見分ける】
HTTPリクエストヘッダ内の User Agent の値で見分ける方法があります。
一見すると大差が無いようですが、KCP+端末の場合は、ブラウザバージョン名(7.2.~)の前に「6.2_」が追加されている形となっています。
・KCP+端末(例:G'zOne W62CA 2008/10/24ケータイアップデート適用済み)
KDDI-CA3B UP.Browser/6.2_7.2.7.1.K.2.207 (GUI) MMP/2.0 |
・従来端末(例:W61CA)
KDDI-CA3A UP.Browser/6.2.0.13.2 (GUI) MMP/2.0 |
ブラウザの操作方法について
実機テストにおいては効率的な端末操作が要求されます。
従来端末とKCP+端末ではブラウザの操作方法が変更になっている箇所があり、両端末で平行してテストを行う際は注意が必要になります。
ブラウザ動作 | 従来端末での操作 | KCP+端末での操作 |
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次回予告
次回は、従来端末とKCP+端末との動作差異をご紹介する予定です。実機テストで遭遇した動作差異を数例ご紹介できるよう準備中です。