Chrome初期搭載からはじまるAndroid標準ブラウザの行方 [前編]
こんにちは、マーケティング担当のナオです。
今回も、気になるニュースをお届けしようと思ってます。
Chromeブラウザのプリインストールがはじまった
長らくベータ版だったAndroidブラウザアプリ「Chrome for Android」が正式版として公開されました。ベータ版と同じく対応OSはAndroid4.0以降のみ。
6月28日の記事 : 「Chrome for Android」正式版が公開 -INTERNET Watch
そして、出荷時からChromeブラウザがプリインストールアプリとして搭載された、Androidスマートフォンの新機種が登場しました。
9/7発売のいわゆる「ボス電」です。
(7/14発売の107SH通常モデルはAndroidブラウザのみプリインストール)
UserAgentは以下の通りです。
Mozilla/5.0 (Linux; Android 4.0.4; SBM107SHB Build/S0006) AppleWebKit/535.19 (KHTML, like Gecko) Chrome/18.0.1025.166 Mobile
また、2012年秋モデル、ドコモのHW-01E(2012年10月~11月発売予定)においてもChromeブラウザのプリインストールを確認することができます。
8月29日の記事 : “5秒で起動”の秘密とは:写真で解説する「Ascend HW-01E」 (1/2) - ITmedia Mobile
記事内で紹介されている「展示機にプリインストールされていたアプリ」のスクリーンショット画像を良く見ると、以下のように、Androidブラウザの隣りにChromeのアイコンが確認できます。
やはり、Chromeブラウザは今後、各キャリアのAndroid4.0以降の新機種に順次搭載されるようです。
※今回、「Chrome for Android」を“Chromeブラウザ”と呼び、
これまでずっとAndroidスマートフォンのホーム画面右下にある青いアイコンの
「ブラウザ」を“Androidブラウザ”と呼びます。
Chromeブラウザが大きく注目される理由
スマートフォン用ブラウザアプリはすでに各種ある中で、Chromeブラウザは大きく2つの点で注目されています。
1つ目は、PCやタブレットなど複数のデバイスで同期を取ることができる点。
共通のGoogleアカウントを使うことで、ブックマークやID/パスワード、開いたタブの同期まで行えます。自宅でも外出先でも同じGoogleアカウントでChromeブラウザを使えば、デバイスを問わず同じ環境が簡単に用意できるため、利用者にとって使いやすい、本当の意味でのマルチデバイス環境と言えます。
そして2つ目。
Androidの「標準ブラウザ」が1つでなくなった点。
私どものような法人向け製品サービスベンダーにとっても、Webサイトを運営するサービス提供者様にとっても、非常に大きな転換点です。
初期搭載ブラウザが複数になった影響
これまでは「Androidスマートフォンのブラウザ=標準ブラウザ」であることが、暗黙の共通認識になっていました。
製品/サービス/Webサイトの実機検証や稼働テストは、これまで1つのAndroidブラウザだけを対象とすれば、こと足りていました(同様にiPhoneシリーズではSafariブラウザが対象)。
ところが、プリインストールのブラウザアプリが複数存在することで、対象ブラウザを具体的に明示する必要が出てきました。場合によっては、複数ブラウザを対象とする状況もあるかもしれません。
利用者が初期状態からブラウザを選びやすくなったために、何をもって「標準ブラウザ」とみなすのか定義があいまいになっているためです。
Androidスマートフォンに複数のブラウザアプリがインストールされていると、ブラウザを使う際にアプリを選ぶポップアップが出現します。
ブラウザを使う行為とは、例えば、ホーム画面の検索ボックスの利用やメールのURLタップなどです。
そこで「常にこの操作で使用する」のチェックをONにすると、「デフォルトで起動する既定アプリケーション」として設定され、今後はこのブラウザがデフォルト起動するブラウザになります(もちろんあとで設定変更もできます)。
これまでは出荷時にブラウザは1つだけだったため、ポップアップは出ませんでした。そのため、多くの利用者はデフォルトのAndroidブラウザを使ってきました。
この流れが大きく変わり、初期にChromeブラウザを選ぶことで、その先ずっとChromeブラウザをデフォルト設定として優先的に使う利用者が増えることは想像に難くありません。
【後編に続く】