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モバイルファースト時代のマルチデバイス対応を確実・簡単に

気にしてほしい!スマホのOSバージョンアップ

はじめに

検証サービスチームのウジハラです。

Web・アプリ・周辺機器などのスマートフォン対応で考慮すべき要素の一つに、対象機種のOSバージョンアップがあります。OSバージョンアップ前後の端末を別機種とみなして対応機種を管理する案件も増えています。

今回の記事では、スマホ向けのサービス・製品を提供している方々に向けて、OSバージョンアップ対応に関する注意事項をご紹介します。

機種対応の概念が変わった

ケータイ(フィーチャーフォン)でも、端末のソフトウェア更新は頻繁に実施されています。しかし、不具合修正の更新がほとんどであるため、1機種に対して複数のソフトウェアバージョンの組み合わせを考慮する必要はほとんどありません。

スマートフォンの場合、端末発売後のOSバージョンアップによって機能追加や仕様変更が行われるのが特徴です。スマートフォン向けのサービスや製品における機種対応を検討する際には、1機種に対して複数のOSバージョンの組み合わせまで考える必要があるでしょう。

OSバージョンアップの実施状況

実施数は年々増加しています。特に2012年は、Android 2.3→4.0だけでも24機種ものバージョンアップが実施されました。
2013年もAndroid 4.0→4.1→4.2、iOS 6.0→6.x→7.xのバージョンアップが見込まれます。

国内キャリア発売スマホ・3G対応タブレットでのOSバージョンアップ実施状況
OS 2009年 2010年 2011年 2012年
Android 1.5→1.6(1) 1.6→2.1(1)
2.1→2.2(2)
2.1→2.2(4)
2.2→2.3(9)
3.0→3.1(1)
2.3→4.0(24)
3.2→4.0(4)
4.0→4.1(1)
iOS 2.2→3.0→3.1 3.1→4.0→4.1→4.2
※iPadは3.2→4.2
4.2→4.3→5.0 5.0→5.1→6.0
Windows Mobile 6.1→6.5(1)      
BlackBerry     4.6→5.0(1)  

注:表内の()は該当機種数を意味します。

OSバージョンアップで何が変わる

■Androidの場合
アプリ開発の視点では、APIレベルの変わり目には注意です。APIの改廃によって、OSバージョンアップ後の端末では正常に動作しなくなるケースも想定されます。

主なOSバージョンとAPIレベルの関係
OSバージョン 1.6 2.1 2.2 2.3~
2.3.2
2.3.3~
2.3.7
4.0~
4.0.2
4.0.3~
4.0.4
4.1
APIレベル 4 7 8 9※ 10 14※ 15 16

※:国内キャリアからの端末リリースは極めて少ない

Web開発の視点であれば、AndroidブラウザのレンダリングエンジンであるWebKitのバージョンが変わるポイントは要注意です。例えば、Android 2.3→4.0では、JavaScriptを含んだWeb標準への準拠度の目安であるAcid3のスコアが95から100まで上昇しています。HTML5やCSS3への対応状況もWebKitバージョンの変更が起点になることが多いようです。

主なOSバージョンとWebKitバージョンの関係
OSバージョン 1.6 2.1 2.2 2.3 4.0 4.1
WebKitバージョン 528.5+ 530.17 533.1 533.1 534.30 534.30

ブラウザ表示領域(ディスプレイ解像度とは異なる仮想表示領域)の値に変化が出るケースもあります。当社の実測では、Android 2.3ではviewportなしでの横サイズは800pxが標準ですが、Android 4.0では980pxが標準となり、バージョンアップ前後でサイトの表示に差異が出るケースもあるようです。

■iOSの場合
Appleのデベロッパーサイトサポートサイトでリリースノートを参照可能です。別記事でもiOS 6での変更点(ブラウザ)に関する記事を掲載しています。

少し前の事例になりますが、iOS 4.3→5.0のバージョンアップでは、Safariブラウザのinput type="number"の仕様が変更され、入力値が"number"であることの判定が厳密になりました。当社が担当した実機テスト案件でも、「会員番号の入力欄にinput type="number"を使っていたが、番号の先頭でゼロを入力できなくなった」インシデントが複数報告されました。

OSバージョンアップでの機種依存事例

上記のようにOSバージョンに共通して仕様が変化する場合もありますが、特定の機種だけで仕様が変化するケースもあるので注意が必要です。以下に代表例を示します。

変更対象 機種の例 バージョン 変更内容
Model名 HT-03A Android 1.5→1.6 「HT-03A」→「Docomo HT-03A」
※UserAgent内の機種名も同様に変化
Bluetoothのバージョン GALAXY S II Android 2.3→4.0 「Ver.3.0+HS」→「Ver.3.0+EDR」
Bluetoothのプロファイル SH-01D Android 2.3→4.0 「HDP」「PAN」が追加に
Wi-Fi Direct対応 IS11LG Android 2.3→4.0 Wi-Fi Direct非対応に
スクリーンサイズ GALAXY Note Android 2.3→4.0 「large」→「normal」
(android.content.res.Configurationの"screenLayout"で定義)
ブラウザ表示領域 L-01D Android 2.3→4.0 viewportでwidth=device-widthを指定時の縦サイズ「569」→「602」
※ナビゲーションメニューの仕様変更が影響
Flash Player ISW12HT Android 2.3→4.0 Flash Playerは削除
壁紙サイズ GALAXY S II LTE Android 2.3→4.0 横960×縦800→横480×縦800
UserAgent N-06D Android 2.3→4.0 UA文字列から「Mobile」が消えた

OSバージョンアップは突然に

OSのバージョンアップの開始は、開始数日前に発表されるケースもあります。しかし、ほとんどがバージョンアップ開始と同時に発表されます。
通常の新機種対応と異なり、事前の準備が困難である点にも注意が必要です。

旧バージョンのままのユーザーも

「手順の複雑さ」「特定機能・アプリの仕様が変わる(動作しなくなる)」「一度バージョンアップすると旧バージョンには戻せない」といった理由から、OSバージョンアップを敬遠するユーザーも存在します。
OSバージョンアップが開始された機種については、新バージョンの端末だけをサポートすれば良いわけではなく、旧バージョンの端末をサポートし続けることも重要です。

おわりに

以上、スマホのOSバージョンアップに関する注意事項をご紹介しました。今後もバージョンアップの実施状況などをお伝えできればと考えております。
スマホのOSバージョンアップ対応では、当社ソリューションの活用もご検討いただければ幸いです。

 

OSバージョンアップに関する当社の取り組み

◆端末保有状況
国内キャリアから発売されたスマホ・タブレットのほぼ全機種を保有している当社ですが、旧OSの端末も可能な限り保有し続ける方針です。
OSバージョンアップが予測される機種は、予め複数台を調達しておき、少なくとも1台は旧バージョンのまま保有し続ける運用を行っています。
新旧どちらのバージョンでも実機で動作確認できる体制が我々の強みです。

SH-06DNERVs限定モデル SH-06D NERV(ヱヴァスマホ)もAndroid 2.3と4.0の両方を保有(クリックで拡大)

 

 

 

◆実機検証サービス(アウトソースタイプ
スマホ向けサイト・アプリ・周辺機器の検証を代行するサービスです。
OSバージョンアップ情報の察知・提供から、新OSバージョン搭載端末での検証をまとめて代行するサービスもご用意しています。

◆実機検証サービス(セルフタイプ
当社検証ルームで検証用のスマホ・タブレットをお貸し出しするサービスです。旧OSバージョンの端末もレンタル可能です。

デバイスプロファイル・サービス
「OSバージョンアップでの機種依存事例」で紹介した事例を含む、スマートフォン機種&OSバージョン別のプロファイル情報を販売しています。

x-Servletx-fit
スマホサイトの構築・運用を支援する製品でも、各機種OSバージョン別の動作確認を行っています。

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